ストレスは心を覗くカギ

 

人は非常に強いストレス状態に置かれると
それまで気がつかなかった『自分の心』が姿を現すことがあります。

 

例えば、思いがけない出来事に動揺して感情がむき出しになり
自分でもつじつまが合わない反応をしてしまうことがあります。
でも、実は「つじつまが合わない」というのは思い違いで
深い心の奥底をのぞくと、ちゃんと理屈があるのです。
普段はそのことに気づいていませんが
極度のストレス状態になると、無意識に潜在意識が顔を出してくるというわけです。

 

誰かを必要以上に攻撃してしまったり
嘘をついたり
はぐらかしたり
自己保身に走り、誰かのせいにして逃げようとしたり
…その行動は様々ですが、共通していえることは、平常時はそんな行動をとることを想定していないということです。

 

この場合、本人は意識していない振る舞いであり、無意識の判断なので
意識して手綱を持たなければ同じことをくり返し
非効率な生き方を続けることになります。

 

どうすればストレスに強くなることが出来るのでしょう。
また、ストレスがかかった時の固定化した行動を変えることはできるのでしょうか。
実際に、ストレス耐性を高めることが必須の職業からヒントを得たいと思います。

 

ストレスの高い職業といえば、なんといっても宇宙飛行士です。
宇宙飛行士は、地球から400㎞離れた場所に仕事場を持ち
最大6人が数か月間閉鎖的な空間の中に閉じ込められ
小さなミスも命取りになるという大変厳しい環境の中で過ごすそうです。
何が起きても決して動揺せず、うつ状態にもならず
与えられたミッションを次々とこなしていかなければなりません。
しかも6人の国籍はバラバラで、文化的な背景もまるで違います。
考え方も生活スタイルも違う者同士が、狭い空間の中で長い間一緒に過ごさなければならないのですから
それだけでも大変なストレスです。
彼らにとってストレス耐性を高めることは、欠かせない最大のミッションです。
そのためのトレーニングには余念がありません。
非常事態を想定した対処法も、体に覚え込ませるまでくり返し細かく訓練するそうです。

 

そして、最も重視されているのが、チーム行動能力の向上です。
大きな森の中を目的地まで数日間かけて歩き続け
毎日リーダーを変え、仲間同士で議論をさせ、いつまでにどれくらい進むか決断するなど
リーダーシップの力を養い、また、フォロワーはリーダーを支え、目的達成のために力を発揮していく力をつけていくそうです。
つまり、深く人を信頼し、深く人と関わり、強く人とつながるスキルを身につけることで、ストレスを緩和させるのです。

 

その他にも、洞窟の中での隔離訓練、冬の極寒の地でのサバイバル訓練、海底での極限環境訓練といったものを通じて、ストレス下における対処能力を高める学習を積み重ねていくそうです。
人は強いストレスを感じる環境に置かれると、感情が暴走して反射的にとる行動があり
それが一つのパターンをつくっていることが多くあります。
その反応が、常にいい結果をもたらしてくれるのであれば問題ないのですが
いつも同じマイナスを生むのであれば、違うパターンを身につけた方がいいですよね。
ましてや、その判断が命取りになるのであれば、何としてもそのパターンは意識化させて
崩す努力をしなければなりません。

 

ストレスは、自分の弱点に気づくことができる「心を覗くカギ」。
ストレスを感じた時こそチャンス!
感情に押し流されるのではなく、深呼吸して立ち止まり、感情の暴走を食い止める新しいパターンを作り上げるために役立ててみるのも大事なのですね。