子育ては記憶づくり


 
「人は記憶で出来ている」と聞くと
ちょっと不思議な感じがするかもしれませんね。
 
『記憶』は目に見えるものではありませんから
本当にそうか確認することが難しいです。
でも、人の振る舞いを観察していると
その人がどんな記憶の持ち主なのかが
よくわかるかもしれませんよ。
 
同じ体験をしても、感じ方や反応のし方は
人によってまるで違うという体験を
したことはありませんか?
 
例えば、見知らぬ人と話すのは
緊張するので嫌だと思う人がいれば
自分の世界が広がるから好きだという人もいます。
これだけだと、その人の生まれつきの性格じゃないか
と思われがちですか
実は性格も記憶なのです。
 
新しいことに遭遇した時の反応の過敏さは
生まれ持つ遺伝要素が大きいかもしれませんが
その時にどんな体験記憶を作るかによって
性格は様々に変化していくのです。
 
例えば、緊張しやすい気質を持っている子がいたとしましょう。
このような子は、新しい環境に慣れるのに
時間がかかるかもしれませんね。
ちょっとしたことで感情が揺れるでしょうし
ネガティブな気持ちが一気に襲いかかるような体験を
人一倍多く積み重ねるかもしれません。
でも、その度に「大丈夫、大丈夫」と気持ちをなだめて
上手に乗り切る体験を積んだ子は
物怖じしないチャレンジ精神旺盛な大人に
成長することになるのです。
 
つまり、不安に襲われたり
怖い体験をすることがいけないのではありません。
むしろ、その体験をどう記憶するかで
自己イメージが作られるのです。
すぐにベソをかく子が、周囲から「泣き虫」と言われて育てば
自分は泣き虫なんだと思うでしょうし
「すぐに泣き止むようになってきた」
「強くなってきたぞ」
と言われれば
自分のことを我慢強いと思うかもしれません。
そういう意味で、性格は記憶だといえるのです。
 
人は、生まれた直後からありとあらゆる刺激にさらされ
反応し、感情を揺らしながら適応行動を見出していきます。
一度見つけ出した適応行動は
ことあるごとにくり返されるので
記憶は強固になっていきます。
つまり、どんな方法で環境に適応しようとするのか
考え方や感じ方、判断基準といったものも含まれるので
大人の誘い方が大変重要だということなのです。