生活リズムは記憶でつくられる!


 
お母さんのお腹の中で1㎜にも満たなかった受精卵が
40週という時間の中で3㎏・50㎝へと成長していきます。
その道のりは、大まかに描かれた設計図に則って進んでいくものの
すべてが設計図通りではありません。
 
人間のからだには、生き延びの戦略として
受け取る刺激によって形を変えていくという柔軟性を備えているのです。
胎内環境は真っ暗闇で、温度も一定です。
それは、絶え間なく母親の心音や呼吸音が鳴り響き
外界の音はかすかにキャッチできるほど。
外の世界とは比べものにならないほど刺激の「量」も「質」も一定しています。
その中で「寝る‐起きる」というリズムを40分毎に刻み
誕生してくるといわれています。
ところが、生まれ落ちた環境は24時間で構成されています。
半分は明るく活動に適した環境になっており
もう半分は暗く静かな環境で、昼間に活動した時に使い続けた
脳やからだをメンテナンスするに最適な環境になっているのです。
 
夜のまとまった睡眠の中にも
一定のリズムは刻まれていきます。
深い睡眠は睡眠全体の中でも前半に集中させ
その中で成長ホルモンを大量に分泌するようにしていくのです。
また、朝方には副腎からコルチコイドという
ステロイドホルモンを分泌させることで
体温を上昇に転じさせます。
そしてβ―エンドルフィンを上昇させることで
気分を高揚させ、活動に適したからだへと準備していくというわけです。
 
ところがどうでしょう。
現代社会は、夜中でも関係なく活動できるように進化してきました。
競争社会に勝ち続けるためには
とことん無駄を省いていかなくてはいけません。
気がつくと、からだのリズムとは関係なく
昼夜問わず強い光刺激を浴び続け
多様な動きを体感することなく
同一姿勢で長時間単調な刺激に偏るなど
単一の刺激にさらされ続けてしまうのです。
その結果、心は疲弊し
困難が立ちはだかっても「打破していこう!」という
強い意欲はなかなか湧いてこない
そんな心とからだのサイクルが
作られる環境にあるのです。
 
大人がどんな環境を用意するかで
子どものからだの作り込みは変わってきます。
少々のことでは動じない、逞しさと柔軟性に富んだ
しなやかさを育てるためには
子どものうちこそ、昼間は明るい刺激の中で
夢中になってからだを動かしましょう。
そして、夜には暗い刺激の中で深い眠りに落ちるという
メリハリの利いたリズムを
体の奥深くに消えない記憶として
刻み込んであげてくださいね。