脳はつくる時代(デフォルト・モード・ネットワーク)

 

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)をご存知ですか?
2016年にNHKでも取り上げられ、最近よく耳にするようになりました。

 

DMNとは、脳のデフォルトの神経回路の接続のことで
脳が意識的な活動をしていない時に働く基礎活動のことだといわれています。
ちょっと難しいのでわかりやすく解説しますね。

 

その昔、何もしていない時の脳は“働いていない”と思われていました。
ところが、最近では何もしていない時こそ脳は活発に活動していることがわかってきたのです。
なにもしていない時…といっても睡眠中ではありません。
覚醒しているのに、何か意識的な活動をしていない時のことを指します。
例えば、1日の消費エネルギーが2000kcalとしましょう。
その中で脳活動で消費するのは約400kcalくらいです。
そのうち、おしゃべりしたり、本を読んだり、料理をしたり…
といった脳活動で消費されるのはたったの5%。
更に20%がメンテナンスに費やされ
およそ75%は、何もせずにボーっとしている時間に費やされているというのです。
これは驚きですよね。
人は、意外にも多くの時間をDMN活動に注ぎ込んでいるのです。

 

そして、このネットワークのかたちは、人によって随分違いがあるようです。
中でも、無意識にネガティブなことを次々と連想させてしまい
「どうして?」「なぜ?」「どうすればよかったの?」等々…
考えても意味がないことを、くり返し考え続ける思考の堂々巡りから抜け出せず
心もからだも疲れ果ててしまう人がいますよね。
この人は、脳の疲労をどんどん蓄積させていることが指摘されています。
なもしていなくても、脳はずっと活動しエネルギーを消費し続けているからです。

 

確かに、気がつくとあれこれと物思いにふけってしまうことがありますよね。
雑念が次々と湧いてきて、気持ちが囚われていくという状態です。
こんな時は、いくらリフレッシュしても疲れは取り切れず、すっきりしません。
意識して“考える”ことをしているわけではないので
本人も非効率な脳の使い方をし続けていることに気づいていないのです。
脳は休まず活動し続けるわけですから、脳の疲れはたまる一方。
その結果、クタクタになった脳は常にイライラするようになり
集中力は衰え、注意散漫、記憶力減退、感情コントロール不能に陥ります。
このような状態が度々起これば、免疫力は減退。
やがて、身体にも不調が出現するようになっていきます。

 

疲れやすい
気持ちが乗らない
やる気が起きない
イライラする
焦る…といった精神面はもちろんのこと。
風邪をひきやすい
下痢や便秘
口内炎ができるなどは、免疫が下がっている証拠。

 

これではマズイです。
時間の過ごし方や考え方に無駄が多いだけでなく
体の不調まで引き起こすとなれば何とかした方がいいですよね。

 

原因は、非効率なパターンを持つDMNの暴走です。
人の考え方の手順は、ある決まったパターンを持つ傾向があります。
そして、何かあると
いつも同じように考え込み
いつも同じようにため息をついて
いつも同じようにやる気が失せていくことになるのかもしれません。

 

この暴走は食い止めなければいけません。
放っておいては、いつまでたってもこのパターンから抜け出すことは出来ないからです。
では、どうすればいいのでしょうか。
大切なのは、まず無駄な思考癖にストッパーをかけて切り替えさせること。
つまり、非効率なDMNの活動を止め、効果的な思考回路をつくるのです。
そして、日ごろからその活動を促し、脳に記憶させておくのです。
万が一、雑念が次々と湧いてしまい、思考のループに陥ってしまった時は
まずはいち早くそのことに気づくこと。
そして雑念を放置せず、意識的に深呼吸をしたり、瞑想をしたり、他のことに気をそらして
非効率なパターンが構築されないように予防していくのです。
まさに「脳はつくる時代」ということですね。