「視力だけじゃない“見る力”」

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発達障害の領域で徐々に注目されてきているものに“見る力”があります。
“見る力”というと視力のことを指すのかと思うかもしれませんが、実は視力だけじゃなく

「視覚でみる」ことを指します。
「視覚で見る」とはどういうことを意味するのでしょう。

 

視覚は、目を感受器として、目から入る刺激を処理する経験を重ねることで、鍛えられてい

く力です。更に、目を動かすと前頭葉が働き、見る力を鍛えることで脳も鍛えることが出来

るといわれています。これは後天的な力ですから、経験によっては偏りが生まれ、全体的に

脆弱になってしまう危険性が出てきますよね。
現代の子どもを取り巻く環境特性からいえば、外遊びの機会が減り、多くの子どもが室内で

ゲームをすることが増えているといわれています。これは50年前にはなかったことです。

 

ここで“見る力”に注目してみましょう。

視覚が受け取る刺激は、どのようなものが想像できるでしょうか。小さな画面を見続けてい

るわけですから、目が捉える刺激の距離は変化しません。そして眼球が動く範囲もさほど広

くはありません。

このことが、生活や学習にどのような影響を与えるかを考えてみるとよくわかるかもしれ

ません。動くものをとらえることが下手で、また遠くを見たり近くを見るなど、瞬時に切り

替えることが苦手になるかもしれないのです。

そうなると、黒板を見てノートに書き写す、キャッチボールをする、鬼ごっこをするなど、

多方面において子どもの学習や体験に影響を与えていくことがわかりますね。

 

では、私たち大人が子どもだった時代は、“見る力”をどのようにして育ててきたのでしょ

う。

当然のことながら“見る力”を鍛えなくちゃと大人が意識することはなく、遊びや生活の中

で無意識に鍛えられてきたはずです。
虫取り、川遊び、缶けりといった遊びや、窓ふき、玄関掃除、布団干しなどのお手伝いの中

に、多様な刺激が用意されていたということです。
つまり、生活体験の中に、眼球を動かし、目で捉えたものを手を使って上手に操作する「目

と手の協応操作」体験を大量に積むことが出来たのです。
このことを知っている大人と関わるのと、全く知らずに関わる大人とでは、子どもの体験す

る刺激量に大きな差が生まれてくることは容易に想像できますね。

 

今は大人も大変忙しい時代です。
社会は女性の活躍を大変期待していますから、第一線で働きながら、子育てする女性はこれ

からもどんどん増えていきます。親がこの知識を知って日々の子育てにどう生かすか、親だ

けでなく、子どもに関わる大人が、この知識を知って親子をどう誘うのかがとても重要にな

ってきますね。そのためにも、人が創られる過程をなるべく科学的に、体系立てて捉えてい

く必要があるようです。