遊びをせむとや生まれけむ

遊びをせむとや 生まれけむ
戯れせむとや 生まれけむ
遊ぶ子供の 声聞けば
我が身さへこそ ゆるがるれ
 
[訳]
遊びをしようとして生まれて来たのであろうか
あるいは
戯れをしようとして生まれて来たのであろうか
無邪気に遊んでいる
子供の声を聞いていると
大人の私の身体も
自然とつられて動き出してしまいそうだ
 
この歌は
平安末期に編まれた
『梁塵秘抄』に
収められた歌
 
どこか楽しそうで
なんだかワクワクして
そうして
しっとりやさしい気持ちになる歌です
 
実は
おとといの夜から
福岡市博多に来ています
 
大雨になるとの予想でしたが
一転快晴
 
昨日は
お世話になっている
園長先生に
ご挨拶を申し上げたくて
一日中車で
福岡じゅうを
周りました
 
今朝
ホテルのカーテンを
開けると
向かいの
11階建てのホテルの後ろから
大きな雲が
モクモクと
湧き上がっていました
 
なんだろう?
あの大きな白は?
 
そして
湧き上がる白の上に
さわやかに広がる
きれいな蒼・・・
 
ああ
夏なんだ
 
もう
夏になってたんだ
 
ハッとしました
 
僕の頭の中は
未だ
春のはじまりの景色
 
千鳥ヶ淵の満開の桜を
見て歩いたような
見てないような
まったくぼんやりとした
季節の感覚
 
そんな中
強い白と蒼のコントラストが
僕の意識を
やっと目覚めさせて
くれたような驚きでした
 
と同時に
沸き起こって来た感情・・・
 
夏か~
夏だよ
夏なんだよね~
夏は明るい
夏はいつまでも
陽が沈まない
 
夏は行動できる
夏は変革できる
夏は
新しいことに
チャレンジできる!
 
いいですねえ

 
明るい夏の日差しが
僕の気持ちを躍らせます
 
そして
毎日毎日
忙しくしているけど
なんで
こんなに
元気なんだろう?
 
と自分自身を振り返った瞬間
 
また
ある情景が
浮かんできました
 
そうか
昨日見に行った
小学コースの
子どもたちか
 
あの子たち
楽しそうにしていたな
 
「あー緊張する~」
と深呼吸して
ゆっくりゆっくり
ていねいに
コンクールに出す
書写の課題を
書いていた
小学3年生のあの子
 
休み時間に
側転やブリッジをして
鼻歌を歌いながら
算数していた
小学2年生のあの子
 
独特な観察眼と
一旦集中したら
回りの全てが聞こえなくなる
小学2年生の
あの子
 
子どもたちは
みな才能に溢れ
可能性に
満ちていました
 
遊びをせむとや
戯れせむとや
 
僕も
大真面目に
遊び戯れていようと
思いました