銀杏の木
当社は赤坂から
ニューオータニを過ぎ
麹町へと登っていく
ゆるやかな紀尾井坂の
途中にあります
先日 天気予報は雨だと
予告していましたが
朝の出勤時間は
高層ビルの間から
キラキラと輝く朝日と
白い雲が見えていました
紀尾井坂には
以前 このブログでも
ご紹介した
銀杏並木があります
銀杏落葉
という言葉がありますが
これは初冬の季語
去年の11月の終わり
だったでしょうか
確かに
寄せては返す
さざ波のように
一斉に銀杏落葉が
始まっていたのを
覚えています
ざわざわざわざわ
ざわざわざわざわ
とめどなく落ち続ける
滝の音のように
みるみる黒いアスファルトが
黄金色に染まっていきました
あれから半年
6月の梅雨の始まりに
久しぶりに見上げた
銀杏並木には
青々とした若葉が
びっしりと生えていて
これだけ沢山の葉っぱが
集まると
みどり というよりは
黒 という感じでしょうか
爽やかさよりも
何か強引な圧力とともに
命のたくましさを
感じました
『いつの間に こんな・・・』
ついこの間まで
一葉も身に纏わない
裸の姿を
オフィスの窓から
晒していたのに
あっという間に
全身美装
重厚なドレス
銀杏 恐るべし・・・
『生きることに疲れてしまうのは
人間だけだな
やっぱり銀杏のたくましさですよ
銀杏の木』
そう独り言を言いながら
エレベーターに乗り込み
胃と腸と胸を
手で押さえている
バカバカしい自分に
ツッコミを入れて
オフィスの扉を
ぐるりと回しました