ナーチャーウィズの家族支援マイスターに対する想い

子育て相談をしていて年々感じることは、母親が「孤独」になっているということです。 それはまるで子どもを育てることが「孤独」を育てることと同義語になってしまっているかのようです。

 

「わが子を可愛いと思えない」
「母親として失格だ」
「育て方を間違えてしまった」
「取り返しのつかないことをしてしまった」
と多くの母親が泣いて訴えられます。

 

傍からは幸せそうに見えていても、本音は全く違うところにある、それが現代の子育てと言っても過言ではありません。 家庭という密封された空間の中に、心のゆとりを失った母親がいて、そんな親子関係の中で育つ子どもを想像してみてください。 心の未成熟、社会性の未発達、人間関係力の弱さなど、まさに今社会問題とされていることと「育児の孤独」は無関係とは思えないのです。

 

これは母親が悪いわけではありません。母親はわが子をしあわせにしたいと心から願っています。 しかし、自分一人の力ではどうすることも出来ない限界に苦しみ悩んでいるのです。つまり現代の日本の育児は、それぞれの母親の問題ではなく、 <社会の制度や仕組みの問題だ>という認識が重要です。

 

だからこそ、乳幼児期の子どもと関わる保育園、幼稚園、子育て支援の場にいらっしゃる専門職に多くの期待が
寄せられているのですが、保育の現場には個々のスキルアップのための育成体系や、チームで問題解決に取り組むマネジメントのための体系や体制が未整備で、 期待に応えられる環境が道半ばで停滞してしまっているのが現状だと思います。
また現場は3年で退職採用ローテーションが当たり前のようになっており、知の積み上げが大変難しい状況にもなっています。これは先進国の中でも子育てを大切にしないこの国のクライシスです。 だからこそ、現代の育児の問題を、子の個性や能力、母親の能力、父親の能力という個別の問題に帰結させず、家族という集合体の問題であり、 それを支える地域や社会の制度や仕組みの問題と捉えて解決策を提示しようというのが家族支援マイスター資格設立の発想起点なのです。
育児は母親一人でしてはいけないものですし、させてはいけません。常に複数で、且つ多様な価値観の中で、母親も守られながら進めて行かねばならない次世代創造作業なのです。